ちくふる

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築古一戸建てに、自由を。

【コロニアル】DIY向きな屋根材ってどれだろう?【シングル材】

f:id:haus_zizi:20191231112502p:plain築古ですと雨漏りなど屋根に問題をかかえている物件も少なくありません。
もしそのような事態に遭遇してしまった場合、悩むのが屋根材の選択です。

 

 

瓦は良いんだけど

僕は瓦が好きです。西日本で育ったこともあり、青い空、広い海、青々とした蜜柑の木、そして黒い瓦というのが原風景としてあるからかもしれません。特に暑い地域では瓦の方が涼しいというメリットもあります。
でも、自分で乗せ換えるとなると高価な上に施工が大変で、おいそれと手を出せるものではありません。なので、瓦に思い入れがないのであれば、他の屋根材を検討してみるのも手です。

金属屋根は加工が大変

DIYで金属屋根に吹き替えるのは加工の難しさから現実的ではないとおもいます。もちろん、やってやれないことはありませんが、切断時の騒音などを考えると、僕はあまりメリットを感じません(あくまでDIY目線での話です。屋根自体の評価ではありません)。

スレート

最近の建売住宅でもよく見かける屋根です。有名なのがKMEW(ケイミュー)株式会社の「カラーベスト」でしょうか。そのなかでも「コロニアル」という商品がスレートの代名詞のように使われていることから別物と想われている方も多いようですが、同じ「スレート」です。

セメントと珪砂でできており、瓦にくらべて薄く軽い(1/3以下)のが特徴。専用の釘で野地板に貼り付けるだけなので、施工も比較的簡単で、痛んだところの差し替えも簡単です。
しかし瓦に比べ、耐用年数が10~30年と短く、ほぼ10~15年ごとにシリコンやウレタン、フッ素で塗装をする必要があります。また、瓦に比べてですが熱を伝えやすく、夏暑いといった意見もあります。

アスファルトシングル

いわゆる「シングル葺き」。グラスファイバーの両面にアスファルトを浸透させ、表面に砂を圧着したものです。海外(特に北米?)ではポピュラーな屋根材で、スレートよりも更に安価で作業性も良いです。日本では田島ルーフィングやニチハ、日新工業などが開発・生産しています。

軽くて柔らかいので施工しやすいのが特徴。専用釘だけでは無く、接着剤を使う必要がありますが、経年劣化した場合に、上から重ねて補修できるということもあり、DIYでもっとも使いやすい屋根材なのではないかと思います。防火地域で使えるものもあります。
デメリットとしては、耐用年数が瓦やスレートより低いといわれている点と、表面に貼られている砂が経年劣化でボロボロと落ちてくることでしょう。断熱性もあまり良くはありません。

断熱性の解決法

上でも触れたように瓦からスレート、アスファルトシングルに吹き替えると、材自体に厚さが無いため、夏などは直に野地板に熱を伝えてしまい、室内の温度が瓦の頃に比べて高くなってしまいます。
なので野地板の上にもう一段垂木を乗せて板を張り、遮熱シートや換気棟を設置して通気を良くすることが多いです(もちろん、そのままアスファルトルーフィングして貼り付けているケースもあります)。

屋根の構造については過去で解説していますので、ご参考までに。

 

 

建築年に気をつけて

2004年以前に製造したスレートにはアスベストが含まれている可能性が高いです。
もし購入した建物がそれ以前の建築でスレート葺きの場合、適切な処理法を知っている業者さんにお願いした方が安全です。尚、現在販売されているものにアスベストは含まれていません。

それでも瓦屋根は美しい

熊本の震災では瓦の重みで家が倒壊する事例が多く見られました。そのため、より軽い屋根材に注目が集まっていますが、台風などの多いところでは、屋根が重い方が風による被害が無いという面もあります。なにより、日本の風景として映えるのはやはり瓦でしょう。
ここでは DIY補修のしやすさからスレート、アスファルトシングルについて高く評価する結果となっていますが、腕に覚えのある方であれば、是非瓦の葺き替えにチャレンジして頂きたいと思います。