ちくふる

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築古一戸建てに、自由を。

リフォーム済中古物件をオススメしない理由5選

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中古一戸建てを探されている方の多くは、購入後、何らかのリフォームを考えておられるかと思います。
物件情報サイトを回遊中に、リフォーム済、なんて書かれた広告を見ると、ついつい食指が動いてしまうのも無理はありません。
でもそれ、本当に買って良いのでしょうか?

 

 

リフォームは割高

リフォーム物件は割高です。自分でリフォーム(自分でリフォーム会社を手配する場合を含む)すれば断然安く済む場合が多いです。

特に最近、不動産投資をはじめる一般の方がもの凄く増えていますが、その手の指南書に必ずと行って良いほど触れられているのが、「リフォームの収益性の高さ」です。手口としてはリフォーム費用を大きく超える値段を上乗せして販売するわけです。

これから家を買おうという人は是非一度、図書館などで「不動産投資」の本を見てみることをオススメします。

そして利益幅を大きくするために、リフォーム費用は出来るだけ抑えてきます。正直なところ、新築のように綺麗に見せるだけなら大した費用は掛かりません。下手すると賃貸物件のクリーニング並み、というお粗末なリフォームもあります。
それでもパッと見はキレイに見えるのでお客さんの引きが良くなるのですが、実は設備が型落ちモデルだったり、現代の生活スタイルに合わない、なんてことも多々あります。

「繋がりのある業者を使うから安くあげられるのでは?」という考えもあるでしょう。
でも不動産屋さんも商売。だったら安くなった分を利益に上乗せするのが当然の流れです。わざわざ取れる利益をみすみす手放す不動産業者なんていません。

耐震構造は変更されていないことが多い

リフォーム済、と新築のように綺麗な写真を見せられると、ついつい中古物件が抱える全ての不安が解消されている気がしてしまいます。
でも、耐震構造や全体的な経年劣化まで改善されているわけではありません。言葉は悪いですが中古物件は中古物件なのです。
もし仮にリフォーム済を購入するのであれば、「耐震基準適合証明書」がついているものにしましょう。これがあれば、新築とまではいかないまでも、一般の人が「リフォーム済み」から連想するメリットを享受できると思います。

耐震基準適合証明書については以下の記事が詳しいので、リフォーム済を購入予定の方は一度目を通しておきましょう。

staylinx.jp

 

家の状態が把握しにくい

これも重要。
家を部分的に新しくしてしまっているので、本来の家の状態が確認しにくく、本当に修理すべきところや手を入れた方が良い箇所が見えにくくなってしまいます。
たとえば、以前は畳だったところをフローリングにしてあったりすると、その下の断熱材や木材の状況が判断しにくくなりますし、見えていた配管を隠すようなリフォームですと、劣化具合が分からず水漏れを起こした場合などに原因特定が難しくなります。

知り合いのホームインスペクターの方も、リフォーム済は判断しづらいとおっしゃていましたので、わざわざそのリスクを、高い上乗せ金を払って買う意味は低いのではないでしょうか。


どうせリフォームするなら、住む人の意見を盛り込むべき

そもそも、リフォーム費用分上乗せするなら、自分の住みやすいように決めたほうが絶対良いです。シンクをもう少し高くしたい、ここは床材を好きなものにしたい、お風呂場はユニットではなくタイルにしたい、収納を充実させたいなど、自分で決めることを出来たものを「あえて放棄」する程の価値は、リフォーム済物件にはないでしょう。

家の素性が見えるのが、中古物件の面白さ

中古物件はそれぞれに固有の「歴史」を持っています。
こんな風に言うと大袈裟かも知れませんが、この家がどんな風に使われていたのか、大切にされていたのか、メンテナンスをちゃんとしてもらっていたのか、その家が持つ独特なニュアンスが自分に合うか、そういったものを見極めるのが中古物件購入の際に非常に大事だと考えています。それは購入後にリフォームを計画している場合にも言えることです。
そういった諸々が、リフォームされていると見えにくくなってしまうのは残念ですし、不安が残ります。

いくつかリフォーム済み物件を見学してみましょう

とはいえ、リフォーム済物件はできるだけ多くの人に気に入って貰えるよう「一般的な」ニーズを踏まえた内容になっている場合が多いですし、DIYやリフォーム業者探しをするのが困難な場合もあるので、自分の意向と予算にマッチしていればリフォーム済という選択肢も決して悪い物ではないと思います。

ただ、上に述べたようなデメリットを承知した上で購入することが、購入後の満足感に響いてくると思います。

そして、是非いくつかリフォーム済み物件を見学してみて下さい。そうすると特に不動産業に従事していなくても、「あ、このキッチン、前のところでも使ってたな」「便器のグレードが低いな」など、気付くようになります。そういった見識を深めた上でリフォーム物件を見極め、納得して購入できれば、リフォーム済みはとても良い選択になると思います。